世界と僕

心という海を、言葉というサーフボードに乗って日々を生きてるんです。素直になるために。

ショートショート

誘惑

誘惑 「良い車。そんなものより良いPCが欲しい。同じマシーンならね」と僕が言うと、彼女は、「車があれば、どこでもいけるじゃないの。お家にずっといるなんてそんなの嫌。あちこち移動したいもの。」と反論した。「君は分かってない。物理的移動なんかで…

月 空中に水滴が見えるのではないかというくらい湿気の多い日だった。海沿いにある一軒の家から少女は夜の砂浜を歩いて波打ち際に立たずんで海を見ていた。 「お父さん、どうして私に何も言わないでいなくなっちゃったの」 少女は頭の中で、寂しさと空虚さが…